2011年4月2日土曜日

悲しみばかりではいけない


こんな個人的なブログでも、読んでくれている人はいるようで、その中の一人から「最近は悲しみ一色だね」と言われてはっとした。確かに悲しいことは多いのだけれど、そればかりではいけないな、楽しい日常のことも書いていこうと、やっとそんな気持ちになれてきた。

正直、3月の一か月は、何かを書こうとしても、なかなか文章にならなかった。毎日行方不明者の数が減り、その分死者は増え、それがなんだか単なる数字としての報告みたいに捉えてしまうのもつらかった。新聞には、色々な人の記事が載っていて、それを読んで泣きそうになることもしばしばだけれど、逆に、絶望の中から頑張って行こう、ここから立ち上がろうという人達の記事も沢山読んだ。特に娘と同じくらいの子供を失った人、またそのくらいの小さな子が親を失った記事など読むと、自分に置き換えたらこんなに気丈に居られるのだろうか、立ち上がる力すらなくなるのではと思い、涙ばかりが出てしまったのだけれど、そればかりではいけないと、最近になって本当にようやく思えるようになってきた。

季節が春になって、娘の幼稚園入園という行事もあり、私たち家族にも新生活が始まる。前を向いていこうと思った。余震や原発など、まだまだ目の前の拭いきれない不安は多いのだけれど、悲しいことばかりを考えるのではなくて、少しでもあの日常にみんなが戻れるように、何か力になれるようなことを、小さなことでもしていきたい。

写真は家の前のとても立派な桜。満開の時期には毎日のようにメジロ、ヒヨドリ、ツグミなどが桜の花の蜜を吸いに来ていた。朝ご飯の最中に鳥たちの鳴き声が合奏を奏でていて、朝からとても気持ちが良くなる日もあった。玄関から一歩出ただけで、こんな景色を楽しめることにとても感謝している。

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