2013年2月5日火曜日

大切な雑木林


自宅から車で10分くらいのところに、里山とスポーツ施設が調和して存在する町田市立野津田公園がある。そこは野球場や陸上競技場、テニスコート、子供の遊べる遊具などがある一方、今では珍しくなった里山の風景をそのまま残した地帯も残されている。この町に越してきて、最初にこの公園を訪れたときに、私達家族が惹かれたのは、整備されたスポーツ施設や遊具ではなく、この里山の風景だった。そして、縁があり、その公園の雑木林を守っている団体のお手伝いをすることになり、今ではその公園で月に1度くらい開かれる、自然を楽しみ、また皆で守っていこうという行事に参加している。

その公園の里山地域では、キジが見かけられたり、野うさぎの糞が落ちていたり(実際数年前にのうさぎの子供を捕まえたこともあったらしい。)、沢山の希少な動植物が存在している。だが、悲しいことに、この里山地域を整備し、総合的なスポーツ公園にしようという計画が持ち上がっているらしい。これは、20数年前にも同じようなことがあり、その時には沢山の市民が市に訴えかけることで、その計画が見直され、スポーツ施設と里山を調和させた公園にしようという決定がなされたそうだ。その時の新聞を読むと、市民の力で行政は変えられるのだなあと感慨深くなった。だが、また今、その時の約束が反故にされ、計画の再見直しをされようとしているというのだ。とても悲しく寂しいことだと思う。

私たちは自然を守りたいと思う。でも一方で、草原よりも例えば綺麗に整備された遊歩道があったり、モニュメントなどがあったりするいわゆる「きれいな公園」というのを好む人もいるのだと思う。だから、私たちが「自然を壊すことには反対!」と言っていても、それを行政が「はいそうですね」と言って、聞き入れてくれるわけではないこともわかる。だが、少しでも何か私たちに出来ることはないかと考える。行政と闘うことは懸命ではないとも思う。なにか、もっと穏やかな方法でこの里山の残る公園を残せないかと考える。今出来ることは、この里山を愛する人が沢山いて、とても大事に思っているということを、少しでも伝えることかもしれない。それがどれ程の効果を産むのかはまるでわからないし、ほんのちっぽけな力かもしれない。でも何もしないよりは良い。

写真は、この公園にある雑木林の手入れを皆でした日のもの。3月にくぬぎなどを植樹した場所の、下草刈りをしたり、森の生物多様性を守るために木の伐採をしたり。休憩後は、伐採した木で思い思いに木工作をしたり、子供たちは落ち葉を集めて遊んだり、楽しい時間を過ごした。

娘ものこぎりを持って下草刈りのお手伝い
休憩のあと、皆で木工作。

落ち葉を集めている子供たち。後でベッドにするそう。
この日夫が娘と一緒に仕上げたフォトスタンド。





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