2013年2月8日金曜日

ある雪の日


臘梅に雪の冠。なぜか光が7角形になっていて可愛らしい。

今年に入ってからもう雪が3回ほど降った。町田に住むようになってからは毎年のようにかならず大雪の日がある。川崎に住んでいた頃はこんなに降ったかなあと思いつつ、雪のたびに真っ白に染まる近所ののどかな風景に心を癒されている。

今住んでいる地域というのは、東京都とは思えないほどに田園風景が広がり、本当に景色に恵まれているなあと思う。そして娘の通う幼稚園までの道も例外ではない。通園途中の道に、毎年臘梅が見事に花を咲かせている畑があり、毎日そこを通る私達は、臘梅のつぼみが、1月半ばを過ぎた辺りからすこしずつふくふくと膨らんで行くのを眺めていた。1月といえば、まだ春はもう少し先だが、ある日一輪咲いた臘梅の香りはなんとも言えない心地良い香りで、もう春がすぐそこまで来ているような気持ちになる。ここに越してきて3度めの冬。そしてこの臘梅によって少しずつ春の訪れを感じるのも3度め。そしてある雪の日に、その香りをずいぶんと大胆に放つようになってきた黄色い小さな花達に、真っ白い雪の帽子が被っている様は、とてもかわいらしいものだった。

今ではもう臘梅は満開で、娘はそこを通る度に「ろうばいの匂いをかぐの〜!」と行っては立ち止まる。そして時々友達を誘っては「これはろうばいって言うんだよ!」と教えて上げたりもするのだが、皆一様に柔らかな表情になって、この黄色の小さな花が放つ春の香りに目を細めている姿は、見ていてとても心が安らぐなあと思う。


このときはまだつぼみが多かった。青空に黄色と白が良く映えていた。
天気の良い日だったので、この朝にうっすら積もった雪は、午後には溶けていた。 
家のすぐ目の前がこんな景色なのはありがたい。
この畑には良く野鳥が来ている。メジロ、オナガ、ヒヨドリ、ムクドリ、シジュウカラなど…。



2013年2月5日火曜日

大切な雑木林


自宅から車で10分くらいのところに、里山とスポーツ施設が調和して存在する町田市立野津田公園がある。そこは野球場や陸上競技場、テニスコート、子供の遊べる遊具などがある一方、今では珍しくなった里山の風景をそのまま残した地帯も残されている。この町に越してきて、最初にこの公園を訪れたときに、私達家族が惹かれたのは、整備されたスポーツ施設や遊具ではなく、この里山の風景だった。そして、縁があり、その公園の雑木林を守っている団体のお手伝いをすることになり、今ではその公園で月に1度くらい開かれる、自然を楽しみ、また皆で守っていこうという行事に参加している。

その公園の里山地域では、キジが見かけられたり、野うさぎの糞が落ちていたり(実際数年前にのうさぎの子供を捕まえたこともあったらしい。)、沢山の希少な動植物が存在している。だが、悲しいことに、この里山地域を整備し、総合的なスポーツ公園にしようという計画が持ち上がっているらしい。これは、20数年前にも同じようなことがあり、その時には沢山の市民が市に訴えかけることで、その計画が見直され、スポーツ施設と里山を調和させた公園にしようという決定がなされたそうだ。その時の新聞を読むと、市民の力で行政は変えられるのだなあと感慨深くなった。だが、また今、その時の約束が反故にされ、計画の再見直しをされようとしているというのだ。とても悲しく寂しいことだと思う。

私たちは自然を守りたいと思う。でも一方で、草原よりも例えば綺麗に整備された遊歩道があったり、モニュメントなどがあったりするいわゆる「きれいな公園」というのを好む人もいるのだと思う。だから、私たちが「自然を壊すことには反対!」と言っていても、それを行政が「はいそうですね」と言って、聞き入れてくれるわけではないこともわかる。だが、少しでも何か私たちに出来ることはないかと考える。行政と闘うことは懸命ではないとも思う。なにか、もっと穏やかな方法でこの里山の残る公園を残せないかと考える。今出来ることは、この里山を愛する人が沢山いて、とても大事に思っているということを、少しでも伝えることかもしれない。それがどれ程の効果を産むのかはまるでわからないし、ほんのちっぽけな力かもしれない。でも何もしないよりは良い。

写真は、この公園にある雑木林の手入れを皆でした日のもの。3月にくぬぎなどを植樹した場所の、下草刈りをしたり、森の生物多様性を守るために木の伐採をしたり。休憩後は、伐採した木で思い思いに木工作をしたり、子供たちは落ち葉を集めて遊んだり、楽しい時間を過ごした。

娘ものこぎりを持って下草刈りのお手伝い
休憩のあと、皆で木工作。

落ち葉を集めている子供たち。後でベッドにするそう。
この日夫が娘と一緒に仕上げたフォトスタンド。





2013年2月4日月曜日

薪ストーブのある生活


 去年の冬の終わり頃に、自宅に薪ストーブをいれることにした。この家に住んだのは、2010年の初冬なので、去年の冬の終わりというのは、ちょうど二冬を過ごした頃。新築で家を建てたときにも、薪ストーブを入れたいなあとは思っていた。しかし、それまではマンションぐらしをしていたので、身近に薪ストーブを使っている家などまるでなく、薪の調達はどうするんだろう?実際、どれくらい薪を使うんだろう?ガスストーブのほうが便利だろうなあ、などと思い、薪ストーブの導入は断念した。相模湖のほうに住む友人宅には素敵な薪ストーブが設置されていて、そこで毎日のように料理もしていることを聞いていたのだが、そこまでの生活ができるとは思えず薪ストーブはいわば「憧れ」であった。


 だが、この家で二冬目を過ごす頃、ちょうど友人の家が3軒ほど続けて新築し、その全ての家に薪ストーブが設置された。そしてたまたま、その3つの家の友人たちは、それぞれ不思議な繋がりもあったりして、なんだか縁を感じ、そして実際に友人宅で薪ストーブに当たらせてもらったところ、あまりの心地良さに、居てもたってもいられずとはこのことだ…と思い、帰ってから早速薪ストーブカタログを取り寄せた。そして、もう春も近づく頃になった3月の頭に、我が家にも念願の薪ストーブが設置されたのだ。


 去年はもう春も間近だったのであまり本格的には稼働しなかったが、今年は11月になってから早速火入れをした。そこからは、薪ストーブを炊かない日はない。そして、なんと暖かく心地よいものなのだと、その魅力をひしひしと実感している。もともと、私は火にあたるのがとても好きだ。キャンプにいっても焚き火の前でぼおっとしているのは本当に落ちつくし、隔週の里山保育でも、大人達は焚き火をおこし、元気に遊ぶ子供たちを眺めながら火にあたりつつ珈琲を飲んだりもしている。そしてひとしきり遊びに飽きた子供たちも、マシュマロを焼いたり、いい具合に焼けた焼き芋を食べに来たりする。そんな時にも、焚き火というのは心も身体も、じんわりと暖かく癒されるものだと実感しており、その焚き火が家の中でできるなんて、こんなに楽しいことはない。

 薪ストーブは家中を暖めてくれる。我が家は吹き抜けがあり、そこに薪ストーブを設置しているので、その空気が二階に行き、私のアトリエと寝室がとても暖かく心地よい。そして二階にあるファンが空気を循環させて、家の中で寒いと感じる場所がなくなった。うちの遊びにきた両親は「確かに温かいけれど、毎日火をつけるなんて面倒。ガスストーブのほうが便利なのにねえ。」などと言っていたけれど、私はこの火をつける作業もとても好きだ。新聞紙を丸めて、その上に細い小枝を置き、だんだんと太い枝を重ねてから下の新聞紙に火をつけると、パチパチという音と共に、赤い炎がメラメラと燃え上がる。その瞬間が好きで、しばらくじっと眺めている。

 心配していた薪も、幸いなことに、お金を出して買うことはなく、全て譲って貰うもので賄えている。去年は夫が市の里山保全のボランティアに出かけ、そこで伐採の手伝いをして沢山の丸太をもらってきたり、工務店から端材をわけてもらったり、地主さんから伐採後の丸太を譲ってもらったりしている。こうやって、どこかで不必要になった木材を燃やして暖をとれるのはありがたいことだなあと思う。

 チェーンソーや斧を使って薪割りをするのは夫の仕事。そして、その薪を収納する棚は、去年友人たちが力を貸してくれたことで、とても立派な薪棚が出来た。春から夏に薪を割って、冬にはその薪を燃やすなんて暮らしは、少し前までは想像も出来なかったけれど、今は自然と自分の毎日に馴染んでいるのが嬉しくもある。



2013年2月3日日曜日

また、始めてみます。


1年近く放置してしまったこのWeblog、また少しずつ書き留めていきたいと思う。というのは、最近、「ああ、Weblogを綴っていて良かったなあ」と思うことが幾つかあったから。古いものも合わせると、もう8年くらいは続けているこのWeblog。途中、書かない期間があったりもしたけれど、ある時期は毎日のようにスケッチと日々の文章を載せていたりもした。子供が産まれる前とはいえ、毎日スケッチと文章とは、我ながらよく書いたなあと思う。

このWeblog内はごく個人的なことであるし、誰かのためになるようなものでもない。そして、最近はfacabookやTwitterなどで簡単に投稿できることもあって、Weblogを再開したところで、読む人はいるのかなあという気もする。でも、その嬉しかったことというのは、facebookなどでは絶対に繋がらないような人との交流であり、そんな風に見知らぬ人からとても温かい手紙(mailだけれども)を頂くのは、本当に嬉しいなあと思ったのだ。だから、また始めてみようと思った。そして、また、前のように誰に向けるわけでもない文章を綴りたいと思ったことも一つ。

私はやはり文章を書くことが好きだと思う。でも、その文章を書く力というのは、書かなくなると衰えるなあというのも感じている。だから、どこまで続くかわからないけれど、また少しずつ綴っていこうと思う。

そしてもう一つ、新しいカメラを買ったので、そのカメラを持っての散歩日記なども載せてみたいなと思ったこと、今は仕事でやむを得ず離れて暮らしている夫に、娘との日常を伝えたいと思ったことも、密やかな理由の一つ。

久しぶりの写真はお正月に家族で過ごしたホテルの前から撮った富士山。このときはまだ古いカメラで撮ったのだけど、天気に恵まれてとても素晴らしい富士山を拝むことが出来た。






2012年4月18日水曜日

切り紙細工

最近幼稚園で作ってくる切り紙細工。すごい熱中っぷりで、毎日沢山リュックに持って帰ってくる。家に帰っても切り紙。集中力がすごい。

こんなのとか。
my daughter's cut work

見て見てー。こんなの出来たー。

my daughter's cut work

2012年2月5日日曜日

ケーキ独り占め

みて、この嬉しそうな顔。

そういえば、今更だけど1月末でこの娘さんは4歳になりました。名前の通り、野原で遊ぶのが大好きな、すこぶるやんちゃな女の子に成長中。我が家ではケーキを買ってきて食べることはめったにないのだけど、近所のとても美味しいケーキやさんのケーキだけは別。みんなの誕生日には、ここでケーキを買ってきて食べている。この日は遠方より訪ねて来てくれたばあばが、特別に好きなの買っていいよ!との大盤振る舞いで、なんと5個もケーキを手に入れた娘さん。当然、みんなで仲良く食べると思いきや、なんと独り占め!「ぜんぶたべるんだ〜」とのことでしたが、さすがにストップが入り、みんなで少しずつ回し食べ。それでも、「これは、ののちゃんのケーキなんだからね!ちょっとだけ分けてあげるんだからね。」と、なんだか恩着せがましい娘さんだったのでした。まあ、1年に1回の日だし、いっか。

2012年2月4日土曜日

暖かな陽射しの里山保育


今日のコースはこののどかな谷戸。

 2月の里山保育、この日は陽射しがとても暖かな日。いつもは「オヤジ保育」なのだけど、この日に限って当番のお父さんが誰もいなかったので、お母さん3人の当番による「オフクロ保育」に。それもまた楽しいよね〜といいながら、今日ものんびり自由な里山保育の始まり。

ししおどしの脇の変な氷を発見!

 さて、テクテクと進みながら「今日は暖かいよね〜」と言っていたのに、前日は冷えたようで、手作りのししおどしの脇に、いきなり変な形に凍った氷を発見。どうやったらこんな形になるんだろう〜と、大人も子どもも興味津々。




そして、なんと、小さな池が完全に凍っていて、天然のスケートリンクに。どれくらい氷が分厚いかというと、小学校低学年の子が乗ってもびくともしないくらい。子ども達は怖いもの知らずで、スーイスイと楽しそうにスケートを始めた。大人たちも呼ばれたけれど、え、遠慮しておきます…。そのうち、ピシッなんて音も聞こえたりして…。


さて、そろそろ行きましょうか。


ひとしきりスケートを楽しんだあとは、お昼ごはんをたべる目的地、富士山の見える丘までてくてく。



目的地に着くと、子どもたちはもう好き勝手に遊び始める。お昼を一生懸命食べる子もいれば、さっさと食べてさっそく秘密基地づくりなど始める子たちも。

ええと、この靴は、氷の池に落ちたんですね。乾かし中。
落ち葉の上って気持ちいよね〜。眠たくなるね。

帰りはお父さんと手をつないで。お父さんとお揃いのリュックは誕生日プレゼント。

いつものことながら、子どもたちは本当に何もなくても自由に遊ぶ。その遊びに大人も便乗して、いつも子ども以上に楽しんでいる。この日は2月頭にしては本当に温かく、私も落ち葉の上で昼寝など…。気づいたら子どもが上着をかけていてくれたりして、ほんわかした気持ちに。この月2回の里山保育は、親子共々とても楽しみな行事の一つになっている。

2012年1月28日土曜日

最近のパン

ごまのパンと、レーズンパン。娘が好きな定番。

毎年、冬はなんだか発酵が上手く行かず、パン作りはちょっと中断していることが多いのだけれど、この家に越してきて、大きめのガスオーブンを備え付けにしてもらったことで、パンを焼く機会が増えた。

初めてパンを焼いたのはもう7年前くらいのこと。それから自分なりに試行錯誤して、色々焼いてみたけれど、なんだか最近やっと自分の作りやすい粉の量やその他の配合などもわかってきた気がする。そしてだんだんと捏ねる粉の量も多くなってきて、以前は一度に300gくらいしか捏ねなかったのだけれど、今では600g、多い時はその倍の1200gくらいを捏ねるときもある。籐製の発酵かごを友人に誕生日プレゼントに贈られたこともあって、自分の持っていた型と合わせて発酵かごは4つ。そして今のオーブンは大きいので、一度に大きなパンが4つ焼けるのもとても嬉しい。

さすがに大きなパンを4つも焼くと食べきれずに、友人たちにおすそ分けしている。本当に材料はシンプルなのに、皆が「美味しい」と言って食べてくれるのが嬉しくて、何度も焼いてしまう。最近は3日に1度くらいはパンを焼いているので、5kg単位で買っている粉もすぐになくなってしまう。それでも、いつも材料を調達している富澤商店まで買い出しに行くのもまた楽しい。富澤商店、前に住んでいたところにも、自転車で10分くらいのところにあって重宝していたのだけれど、今住んでいるところには、電車や車ですぐに行ける範囲になんと4件もあって、恵まれているなあと思う。

パンを捏ねている時間はなんだか無心になれるのも良い。時々、考え事をしながらちょっと落ち込んだりすることもあるけれど、娘を寝かせた後、1人の時間に「そうだ、パンを作ろう」と思い立って、粉を捏ねている時間は、なんだか落ち着くのだ。

2012年1月24日火曜日

一面の銀世界

幼稚園も雪で真っ白。

1月下旬、前日の夜からかなり雪がふったようで、朝起きると一面の銀世界。今住んでいるところは、家の窓から山々が見えるので、その山が雪化粧をしている様は本当に綺麗だなと、うっとり眺める。こんな日でも、幼稚園は正常通り。娘にスキーウェアを着させて家を出る。

夜のうちにすっかり雪はやみ、広がる青空と白い雪のコントラストがなんとも言えず気持ちの良い景色を作っている。幼稚園に行くまでの道すがら、娘は木々に積もった雪を見ては「枯れ木に花が咲くって、このことだねー」と言いながら、楽しそうにキョロキョロとしている。幼稚園に行くまでには、とても急な坂があり、そこを登っていくのは至難の技だったけれど、なんとか幼稚園までたどり着く。坂の途中で、真っ白な富士山と、その付近の山並みがくっきりと見えた。毎日通るこの坂からの山並みは、晴れている冬の日は本当に綺麗で、それがいつにも増して雪化粧をしているのだから、本当に美しい。かなり急勾配の坂なので、毎日息を切らしているけれど、この景色を見るためなら苦にならないと思う。

幼稚園に着くと、子どもたちはみんなはしゃいでいて、早速雪合戦が始まっている。先生や父母達も、ぶつけられないようにと逃げ回っている。きっと今日はみんなでいつもの広場で雪合戦をして遊ぶのだろうなあ、楽しそうだなあと思いながら、娘を送って家路に着いた。

2012年1月21日土曜日

雪の日も里山へ

いきなり始まった雪合戦。

1月のある土曜日。予定では里山保育の日だけれど、朝からものすごく寒くて、外を見るとみぞれ混じりの雨。さすがに今日は中止かな〜と思いつつ、その日の大将に連絡してみると、「雪だねー。うん、やるよ。」とのこと!今までも、少雨決行はあたりまえ、台風接近中などの、よっぽどの悪天候でなければ、中止にすることはなかったこの里山保育。「やっぱりやるんだね〜。あはは。」と、だんなさんと笑いながら、娘と、付き添いで行くことになっていた私は、しっかりスキーウェアとレインコートを着込んで出発。

集合場所に着いた大人たちは、口々に「寒い〜〜!」。「今日はもう、行ったことにしてどっかでお茶でもしよう!」なんて冗談を言ったりも。それでも、子どもたちはそんな天気でも動じることなく、「早く行こうー」と催促。まだ前日までの雪がうっすら残る道を、躊躇せずにてくてく歩き出すのだった。